
このたび、S.Tさんに不定期でコラムを執筆してもらうことになりました。初回のテーマは、S.Tさんの趣味であるマラソンです。
ぜひ、皆様にもご覧いただきたいと思います
当社のコラムを見て頂き、ありがとうございます。こんにちは、S.Tです。
実は、私には趣味でマラソンをしているという一面があります。現在、3月に開催される立川シティハーフマラソンという大会にに向けて、日々練習を積んでいるところです。この記事では、私がランナーになったきっかけや、視覚障害者としてどのように走るのか、そして大会に向けた意気込みをお伝えしたいと思います。
子どもの頃から、クライミングや水泳、サッカーなど、さまざまなスポーツに挑戦してきました。公園のアスレチックや自宅前の道路で自転車に乗ったりと外遊びが好きだったので、そのまま体を動かすことが好きになったのだと思います。中学校に入学したとき、私が選んだのは意外にも陸上部でした。本当はサッカー部に入りたかったのですが、学校にサッカー部がなかったこと、陸上部を選んだ友達が多かったことが理由です。中学時代は100m走などの短距離をメインに大会に出場していましたが、高校に進学すると、長距離の選手が多く、興味を持ち始めました。試しに長距離を走ってみたところ、驚いたことに5kmも走ることができました。それがきっかけとなり、次第に10kmのレースにも出場するようになり、最終的には高校3年生で参加した大会で、自己ベストの約53分を記録することができました。
※視覚障碍者のランナーの中には10kmを40分弱で完走する方もいらっしゃるので、走力は健常のランナーとほとんど変わらないと思います

別の記事でも触れていますが、私の目は不自由です。では、視覚障害者はどのようにしてマラソンを走るのでしょうか?視覚障害者が陸上競技に参加する際、重要なのは「伴走者」と呼ばれるガイド役の人です。伴走者は、私と一緒に走りながら、コースの坂道や段差、周囲の状況などを伝えてくれます。また、私たちは「キズナ」と呼ばれるロープを互いに持ち、コミュニケーションを取りながら走ります。
レースのルールとして、ゴール直前では伴走者がロープを手放すことになっており、その瞬間からランナーが主役となります。
この形式はパラリンピックの競技にも採用されており、もしかするとご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。昨年のパリパラリンピックでは、日本から4名の選手が視覚障害マラソンに出場し、女子の部では3時間4分23秒で銅メダルを獲得しています。
今回、私が出場する大会では、同じチームで働く先輩が伴走をしてくれることになっています。余談になりますが、先日、沖縄県石垣市で開催された石垣島マラソンに出場してきました。前回の大会からブランクがあったので、感覚を取り戻すために10kmのレースを選択し、68分53秒で完走することができました。ベストタイムではありませんが、感覚を取り戻すことができたと思うので、伴走のサポートを受けながらこの勢いでハーフマラソンに臨みたいと思います。


S.Tさん、初コラムの執筆ありがとうございます。S.Tさんのランニングに対する思いや、視覚障害者としての挑戦について伝わったなら嬉しいです。大会に向けての日々の練習はもちろん大変ですが、伴走者のサポートやランニング仲間たちの支えを感じながら一歩一歩進んでいってほしいと感じております。初めてのハーフマラソンということで、未知の部分も多くありますが、それを乗り越えるために全力を尽くして頂き、皆様もS.Tさんの挑戦を見守っていただけたら幸いです。
もし、一緒に練習したい、伴走してみたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひS.Tさんへお声がけください。次回のレース後、またどんな結果だったかを報告楽しみにしています。それでは、皆様も応援よろしくお願いします!